神戸市は総額2兆146億円の2026年度当初予算案を発表した。三宮や王子公園の再整備など大型プロジェクトを加速させつつ、物価高で負担が増す若者や子育て世帯への支援、災害対応力の強化などにも目配りした内容となった。
全国に20ある政令指定都市の中で神戸市の人口減少率は高い。人口流出の抑制が切実な課題となる中、久元喜造市長は「真に持続可能な大都市を目指す」と強調する。海と山に恵まれた自然環境を生かし、誰もが住みやすい街としての魅力を磨き上げる戦略が不可欠だ。
主要施策を賄う一般会計は9778億円で25年度比2・8%減となる。市税収入は、好調な企業業績を反映した法人市民税や所得増による個人市民税などの伸びを見込み、25年度比3・7%増の3436億円を計上、過去最高を更新した。
歳出では投資的経費が1046億円と25年度比では減るものの、三宮やウオーターフロントの再整備などで高い水準を維持する。都市のブランド力を向上させ、来訪者や交流人口の増加につなげる必要がある。
市債(借金)残高は1兆3430億円と増加傾向が続く。税収増と事業見直しで26年度は収支均衡を図るが、27年度以降は収支不足が拡大する見通しだ。収入確保に努め、行財政改革の手も緩めてはならない。
前年度に続き、子育て支援に手厚く予算を配分した。5歳児健診を始めるほか、不登校対策としてフリースクールに通う子の利用料を補助する。9月から中学部活動の地域移行(コベカツ)が始まるのを前に、生徒の受け皿となる団体を支援する10億円の基金を創設し、環境整備や保護者の負担軽減に努める。
防災面では、南海トラフ地震などに備え、市内に14カ所ある避難物資の備蓄拠点を4カ所に集約し、効率的に物資を供給する体制を整える。高齢化で支援の担い手が不足する地域が増えており、企業やNPOなどと連携した避難所開設訓練などで防災力向上を図る。
都市基盤整備も継続する。神戸空港の国際定期便就航に向け、未利用地の多い空港島の将来構想策定に着手する。三宮ではバスターミナルが入る高層ツインタワーや市役所2号館の工事を進める。建築費や人件費の高騰で事業費が膨らんでいる。財政への影響を注視せねばならない。
久元市長は会見で「財政の健全性を保ちながら将来への積極投資を続けていく」と述べた。人口減少時代に見合うまちづくりには「市民の力」を引き出し、協働と参画を一層促す努力が求められる。多様な市民との対話を重ねて、新たな都市像をともに描いてほしい。























