2026年上半期(1~6月)の企業倒産が14年以来、12年ぶりに全国で5千件を超えた。物価高が中小企業を中心に経営を圧迫しており、実効ある対策と物価高騰に歯止めをかける政策が急がれる。
東京商工リサーチによると、倒産件数は5346件、負債総額は約7340億円で、いずれも前年同期より6~7%程度増えた。倒産件数は5年連続で増加した。従業員10人未満が全体の9割、負債1億円未満が8割近くを占め、中小零細企業の苦境が見て取れる。
兵庫県は前年同期より3・5%減ったものの、327件と3年連続で300件を超え、依然高い水準にある。
倒産の要因別では、物価高が439件に上る。22年からの円安局面で、初めて400件を超えた。物価高の大きな要因とされるのは円安だ。円安の進行は原材料やエネルギーの輸入価格を押し上げる。
総合商社や輸出比率の高い大手製造業は円安の恩恵を受けて好業績を上げるが、中小企業はコスト高で経営体力を削られている。価格転嫁をしようにも大手に比べ価格交渉力が弱く、踏み切るのは容易ではない。
人件費の高騰による倒産は120件と、前年同期の2・4倍に急増した。高市早苗首相は「物価上昇に負けない賃金上昇を実現する」と強調するが、雇用の約7割を支える中小企業の倒産が増え続ければ、その実現は難しくなる。地域経済に及ぼす影響も大きい。
政府は価格転嫁しやすい環境整備に引き続き取り組む必要がある。併せて、デジタル化による生産性の向上や、事業の統合・再編などで企業の収益力を高める支援策が求められる。
中東情勢が不透明な中、物価高によるコスト増は続いており、倒産が増える可能性は高い。金利がさらに上がった場合は借り入れコストも上昇する。
見過ごせないのは、高市政権の積極財政による財政悪化への懸念が、円安を誘発しやすくしている点である。「強い経済」を目指す政策が、中小企業や家計を圧迫する結果になっていないか。政府は中小企業の厳しい状況に加え、市場の動向にも目を配るべきだ。
























