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 今年6~7月の西欧の平均気温が21・62度となり、両月の平均としては観測史上最高となったと、欧州連合(EU)の気象情報機関が発表した。欧州は今夏、記録的な熱波に襲われ、山火事や干ばつが相次いでいる。40度を超える地域があり、暑さによる死者も例年を上回っている。

 欧州は1980年代以降、世界平均の約2倍の速さで気温が上昇し、温暖化が顕著だ。国連のグテレス事務総長は「気候危機は著しく加速している」と懸念を表明し、石油や石炭への依存を減らすように呼びかけた。国際社会は急激に悪化する気候の現状を直視する必要がある。

 フランスやスペインでは大規模な山火事が発生した。被災地を視察したフランスのマクロン大統領が「第2次大戦以降で最も厳しい状況」と述べるほどの被害で、両国で計約30万人が避難した。イタリアやギリシャでも起きており、欧州全体の焼失面積は40万ヘクタールを超えている。

 熱波は社会生活全般にも影響している。ドイツでは化学・工業製品の輸送路であるライン川の水位が下がり、積載量の削減を強いられる。ドナウ川などの水量も減り、ハンガリーやルーマニアでは原発で使う冷却用水が不足した。イタリアでは水道水の供給が滞り、スウェーデンでは線路が変形し貨物列車が脱線した。事態は深刻と言わざるを得ない。

 被害は欧州にとどまらない。カナダでは4千件を超える山火事が起き、ブリティッシュコロンビア州で非常事態宣言が発令された。米国では7月に首都ワシントンなどが40度近い気温になり、建国250年の記念行事が一部中止された。インドでは48度に達した地域があった。

 日本でも、今年設けられた最高気温40度以上の「酷暑日」が既に30地点を超えた。7月に最大震度7の地震が起きた熊本でも初の酷暑日があり、被災者を苦しめている。

 原因について世界気象機関(WMO)は、二酸化炭素(CO2)などによって熱が蓄積し、陸と海の温度が上昇したとする。気温上昇を1・5度に抑える目標を掲げる国際枠組み「パリ協定」に基づき、温室効果ガスを減らすのは各国の責務だ。にもかかわらず、米国のトランプ政権は今年、パリ協定から再離脱した。米国は世界2位の温室効果ガス排出国であり、再考を強く求めたい。

 WMOは2026~30年の各年の平均気温が産業革命前を1・3~1・9度上回ると予想しており、見通しは厳しい。ただ、再生可能エネルギー導入などの効果が出ているとの研究結果もある。各国は諦めることなく危機感を共有し、国際協調を進めてもらいたい。地道な温暖化対策の取り組みを緩めてはならない。