国内最大級の植物食恐竜「タンバティタニス・アミキティアエ(丹波竜)」の化石が丹波市山南町で見つかってから20年を迎えた。
恐竜化石は全国で発見されているが、丹波竜は保存状態が良く、全骨格の3割ほどがまとまって発掘されており、極めて貴重だ。丹波竜が眠っていた約1億1千万年前(前期白亜紀)の地層「篠山層群」は化石の宝庫と言われる。恐竜の学術的価値と調査継続の意義を再確認する契機としたい。
丹波竜は竜脚類の新属新種で、全長は十数メートルとされる。篠山川で化石探しをしていた同市の村上茂さんと足立洌(きよし)さんが、2006年に発見した。文献で恐竜と推測し、兵庫県立人と自然の博物館に持ち込んで確認された。市民の学問的関心が「世紀の発見」に結びついた。
その後、篠山層群では世界最小級の小型肉食恐竜の卵や新種の角竜類の化石などが次々と見つかった。さらなる発見も期待される。調査研究が進めば、当時の生態系全体の解明につながる可能性がある。
丹波竜は地域づくりにも影響を与えた。発掘体験ができる交流施設「元気村かみくげ」や、実物大モニュメントがある「丹波竜の里公園」などが整備された。昨年には「市立たんば恐竜博物館」もオープンした。前身の「丹波竜化石工房」を改修・拡張し、化石類などを展示する。今月、入館者数が15万人を突破した。
課題は調査の支え手の育成だ。研究を主導する人と自然の博物館は、発掘ボランティアの横のつながりを強化する「化石ボランティアフォーラム」を試みている。丹波以外からの参加者が増える中、交流機会を設けることで、地域を越えた担い手の確保に結びつくか注目される。
地元ボランティアは高齢化が進んでおり、次世代を見据えた取り組みも重要となる。丹波市教育委員会は本年度から、市内の小学4~6年生が対象の「たんば恐竜スクール」を始めた。スクールでは計6回の講座を通して、博物館や化石発見地を訪ねたり、自由研究をしたりしながら、恐竜への興味を育む。
専門家の養成については、福井県の事例が目を引く。昨年度、全国初の「恐竜学部」を新設した福井県立大はこの春、国内有数の恐竜化石発掘地である勝山市に「勝山キャンパス」を開設し、研究の拠点とした。県立勝山高校も今年、独自科目「ジオ研究」を新設し、恐竜や地球科学を学ぶ場を提供している。
福井県立恐竜博物館は年間100万人以上の来館者を集め、県全体への波及効果を生んでいる。先進事例を参考にしながら、兵庫県ならではの取り組みを進めていきたい。
























