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 最大震度7を観測した熊本地震は、きのうで発生から1カ月が経過した。38人が亡くなり、うち2人は災害関連死の疑いがある。家屋被害は5万棟を超えた。なお2460人が避難所暮らしを続け、車中泊や在宅避難を余儀なくされている人も少なくない。記録的な猛暑下で災害関連死を防ぐため、住まいの確保を急ぐ必要がある。

 被災地ではこの間、最高気温40度以上の「酷暑日」が観測された。断水も長く続いた。避難生活の長期化で心身の疲労の蓄積が心配される。避難所では、簡易クーラーや段ボールベッドの配備など環境改善に向けた努力が重ねられてきた。ただ、あくまで応急の対策だ。被災者の命と健康を守り、生活再建に向けた一歩を踏み出すためにも、避難所暮らしを早急に解消させることが求められる。

 熊本県は被災者がホテルや旅館などの宿泊施設に移る「2次避難」先を約170カ所確保したが、利用は低調という。地震の被害が大きい八代市や宇城市などの施設が被災した影響もあり、2次避難先の多くが熊本市や県北部などに位置する。居住地から遠方の施設に移ると、自宅の片付けや通勤、通院に不便や不安を感じる被災者が多いためだ。

 2024年1月の能登半島地震でも遠隔地への2次避難が進められたが、知り合いのいない場所で孤立したり、1次避難所に戻ったりした人がいた。2次避難は災害関連死を防ぐ選択肢の一つであり、個別事情やニーズを踏まえ柔軟に対応するなど、国や自治体は被災者のケアと暮らしの安定に注力してほしい。

 被災地では建設型仮設住宅の整備が進んでおり、早ければ9月上旬から入居が始まる見込みだ。効率よく入居できるように、氷川町では2階建ての仮設住宅も建設される。民間の賃貸住宅などを行政が借りて被災者に提供する「みなし仮設」の利用申請も受け付けが始まった。住民同士のつながりをどう維持するか課題もあるが、いったん落ち着ける場所が確保できれば、将来への希望を持ち続けられる。可能な限り地域単位で住めるよう、意向把握や住宅とのマッチングが欠かせない。

 中小企業や農林水産業、観光産業も大きな痛手を受けた。政府は、工場・店舗や生産機械の復旧費などを補助する支援策のパッケージを決定した。新幹線や道路の寸断などでキャンセルが相次ぐ観光需要を喚起するため、旅行代金を割り引く「九州ふっこう応援割」も始める。これらを着実に実行することが重要だ。

 復旧・復興は数年がかりとなる。被災地の人々が生活の基盤を早く取り戻せるよう、支援を尽くしたい。