このコーナーを担当してから、いつかは本作とそのロケ地を紹介したいと思いつつ、なかなか取りあげられなかった。なぜなら、作家・野坂昭如が自身の戦争体験を反映させて書いた「火垂るの墓」は、スタジオジブリのアニメ版によって、一番泣けるけれど、一番見るのがつらい映画として脳裏に刷り込まれてしまったからである。初めて見た時、つらくて「もう見ない」と決めたのに、毎夏のテレビ放映の際、つい見てしまい、つらさを再生産し続けたトラウマもある。その作品が2008年に実写になっている。しかも西脇市で重要なシーンが撮影されているのだ。満を持して取りあげようと思う。