宝塚史上最大のヒット作「ベルサイユのばら」初演から今年で50年。先日まで宝塚大劇場では彩風咲奈(あやかぜさきな)さんを中心とした雪組が記念公演を上演、連日満員の人気で盛り上がりました。50年前、誰がこれを予想したでしょうか。
1974(昭和49)年春、トップ披露公演が無事に終わり、ホッとしたころ「ベルサイユのばら」が宝塚で上演されるらしいという噂(うわさ)が流れてきました。少女漫画には全く興味がなかったので「『ベルサイユのばら』、何?」みたいな感じで受け止めていました。
でも周囲があんまり騒がしいので、調べてもらうと「週刊マーガレット」に連載されている池田理代子さんの少女漫画で、フランスの王妃マリー・アントワネットの生涯を、オスカルやアンドレといった架空の人物を絡ませて描いたスケールの大きな作品。中高生の少女たちに熱狂的な人気だと分かりました。宝塚は男役が主役の世界ですので、王妃が主人公のストーリーは宝塚向きではないなと思ったのが第一印象でした。