17世紀の音楽風刺劇「オスペダーレ」公演より。左から2番目が筆者(チェロ)=7月26日、神戸市中央区、神戸新聞松方ホール
17世紀の音楽風刺劇「オスペダーレ」公演より。左から2番目が筆者(チェロ)=7月26日、神戸市中央区、神戸新聞松方ホール

 オペラというと、どんなものを連想されるだろう。《アイーダ》《蝶々夫人》《トスカ》など19世紀後半のイタリアものか《フィガロの結婚》《魔笛》などモーツァルトか、或いはヴァーグナーの長大な連作か。このオペラというものがいつ頃始まったのかというと、実は17世紀の初めなのである。そのジャンルを決定づけたモンテヴェルディは、1607年の《オルフェオ》に始まって幾つものオペラを作曲した。多くは失われて、オルフェオの他には《ウリッセの帰還》と、彼が没する前年1642年の《ポッペアの戴冠》が現存しているのみである。