ヤマモトマサアキ・画
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  第三章 行き違う人々(三十一)

 信長に「神はいるか」と問われた弾正の横顔が、じわりと変化した。心持ちその背筋を張り、目元に深い皺が寄るのが、宗厳のいる斜め後方からでもはっきりと見て取れた。