買ってはいけない軽自動車って…???(提供:norico by ガリバー)
買ってはいけない軽自動車って…???(提供:norico by ガリバー)

軽自動車は、深く考えずに選ぶと後悔することも。ここでは、買って後悔するケースや失敗しないための選び方、おすすめの人気車種をご紹介します。

■「買ってはいけない軽自動車」とは

現在の軽自動車はかつてと比べて安全性や走行性が高く、基本的に「誰もが買うべきでない一台」は存在しません。しかし、以下のようなケースは後悔につながる可能性があります。

・後席を殆ど使わないのにスーパーハイトワゴンを買った
・家族4人で乗るのにロールーフ系を買った
・高速道路を頻繁に使うのにノンターボの軽自動車を買った

つまり「買ってはいけない軽自動車」とは、自分(家族)の使い方に合わない軽自動車といえます。

■軽自動車にも種類がある

軽自動車は、高さの違いで大きく3種類に分けられます。それぞれ価格や使い勝手の傾向が異なるため、種類を選び間違えると後悔につながります。

①スーパーハイトワゴン

・全高の目安:1800mm前後
・価格の目安:新車で約150万~250万円
・車種例:スペーシア、タント、N-BOX、ルークス

軽自動車で最も人気なのが、スーパーハイトワゴン。全高はコンパクトカーやSUVより高く、車内は軽自動車と思えないほど広いです。また、低床フロア×スライドドアで子どもや高齢者も乗り降りしやすく、後席を倒せば自転車なども積めます。

ただし、車両価格は高く、車重が重いので他のタイプより燃費も悪いです。また、全高が高いからこそ走行安定性に欠け、横風でハンドルを取られやすいといった弱点もあります。

②ハイトワゴン

・全高の目安:1700mm前後
・価格の目安:新車で約130万~200万円
・車種例:ワゴンR、ムーヴ、N-WGN、デイズ、ハスラー

価格と実用性のバランスが良いハイトワゴン。スーパーハイトワゴンほど高くありませんが、身長180cm程度の人でも乗ることができます。また、後席もある程度の広さが確保され、3人家族などファミリーにもおすすめです。

ハスラーやタフトのように、ハイトワゴンをベースにした軽SUVもあります。

ただし、スライドドアを搭載した車はごくわずかです。

③ロールーフ

・全高の目安:1530mm前後
・価格の目安:新車で約100万~200万円
・車種例:アルト、ラパン、ミライース、N-ONE

車両価格が安く、且つ燃費の良い車が多いロールーフ系。「セダン系」と呼ばれることもあり、軽量でキビキビ動く車が多いです。

ただし、全高は他の2タイプに比べてかなり低く、乗り込むときは体勢をやや低くしなければいけません。また、全体的に装備も簡易的な車が多いです。通勤用など1~2人での利用に向いています。

■軽自動車の購入で後悔するケース

ここでは、自分(家族)に合わないタイプの軽自動車を買って後悔するケースの具体例をご紹介します。

▽ケース①広さ不要なのにスーパーハイトワゴンを買った

スーパーハイトワゴンは利便性の高い車ですが、それは後席をしっかり使うケースにおいての話です。車中泊をしたり、大きな荷物を積んだりしない、且つ普段から1~2人での乗車が多い人は、他のボディタイプで良いでしょう。

軽自動車の中では車両価格やガソリン代が高いタイプなので、後席の使用頻度が低いと「わざわざ買う必要がなかった」と後悔する可能性があります。

▽ケース②3~4人で乗るのにロールーフ系を買った

反対に、コスト重視と言って3~4人家族でロールーフ系を使うと、狭く感じるでしょう。チャイルドシートを使う場合は乗せ降ろしもしにくいです。

また、ロールーフ系は低価格であるが故に装備があまり充実していません。同乗者の安全性や快適性の面で、不安や不満を覚える人もいるでしょう。

▽ケース③高速・坂道走行が多いのにノンターボにした

軽自動車は排気量が660cc以下と定められており、ターボエンジンを搭載していないとパワーが弱いです。特に、高速走行と坂道走行では加速しきれず後続車に迷惑をかけたり、坂道でアクセルをべた踏みしても充分に走ってくれなかったりします。

高速走行や坂道走行が多いのであれば、必ずターボエンジン搭載車を選んでください。

▽そもそも軽自動車以外が良い場合も

以下のように、軽自動車自体の購入を後悔するケースもゼロではありません。

・4人家族で軽自動車にしたが狭い
・思っていたより燃費が悪い
・長距離で乗ると疲れやすい

スーパーハイトワゴンは大人4人でも快適な広さですが、軽自動車の荷室は狭く、4人分の旅行の荷物までは積みにくいでしょう。

また、ロングドライブをするのであれば、本格ハイブリッドシステムを採用したコンパクトカーのほうが低燃費で乗り心地も良好です。

■後悔しない軽自動車選びのポイント

ここでは、後悔しない軽自動車選びのポイントをご紹介します。

▽ポイント①目的に合うタイプを選ぶ

スーパーハイトワゴン、ハイトワゴン、ロールーフ系のいずれかにするかは、たとえば以下のような基準で選びましょう。

<スーパーハイトワゴン>
・小さな子どもや高齢者を乗せる
・大人4人で乗ることがある
・車中泊やアウトドアに使いたい
・ベビーカーを無理なく積みたい

<ハイトワゴン>
・2~3人での利用が多い
・子どもはすでに小学生くらい
・程々の高さがあれば良い
・広さとコストのバランス重視

<ロールーフ系>
・1~2人での利用が多い
・後席はあまり使わない
・通勤用などコスト重視

▽ポイント②必要な機能・装備を見極める

軽自動車の場合は上級装備が選択できない場合も多いので、欲しい機能・装備を考えましょう。特に人気の装備は以下の通りです。

・スライドドア:両側電動、ハンズフリー
・運転支援機能:ACC、LKA
・ヒートシーター
・シートバックテーブル

▽ポイント③車の安全性を確認する

現在の軽自動車は「普通車に劣らないほど安全」ともいわれます。しかし、普通車と比べて全長や全幅が短い分、衝突に多少の弱さはあると考えられます。

だからこそ、衝突被害軽減ブレーキの性能やエアバッグの数・種類などをしっかりチェックしましょう。以下の記事では、最新の安全な車ランキングもご紹介しています。

▽ポイント④燃費性能を確認する

軽自動車は燃費が良いと思われがちですが、普通車のような本格的なハイブリッドシステムを搭載した車はありません。そのため、コンパクトカーのハイブリッド車に比べて燃費が劣ることも多いです。

しかしながら、マイルドハイブリッドシステムを採用した軽自動車は存在し、同じタイプでも燃費性能は車種によってさまざまです。燃費は、特にスズキの軽自動車が優れています。

▽中古では「未使用車」がおすすめ

中古の軽自動車購入では届出済み未使用車を検討してみるのも良いでしょう。

届出済み未使用車は、ディーラーやメーカーの都合で一度届出した車両です。実際の走行には使われていませんが中古車扱いとなり、新車よりは低価格で販売されます。

軽自動車は中古車価格がやや落ちにくく、だからこそ「中古で買うなら装備は最新で、価格は新車より少し安い未使用車が良い」ということです。

ただし、未使用車は色やオプションを自分で選べないというデメリットもあります。

■厳選!おすすめ軽自動車6選

ここでは、軽自動車の中でも人気が高く、コストなど総合的に見ておすすめの車種をご紹介します。

※車両情報は2025年6月2日現在のガリバー「車カタログ」より引用。全長、全幅は全車変わらない(全長3395mm×全幅1475mm)ため、サイズは全高のみ記載

①スズキ スペーシア(スーパーハイトワゴン)

・新車時価格:153万円~
・WLTC燃費:22.4~25.1km/L
・全高:1785mm

現時点でクラストップレベルの安全性と後席の快適性を誇るスペーシア。後席には多くのグレードでアームレストやマルチユースフラップ(オットマンや買い物カゴの固定になるパーツ)が装備され、軽自動車と思えない贅沢空間に仕上がっています。

スズキ自慢のマイルドハイブリッドシステムを搭載し、スーパーハイトワゴンのなかでは燃費もずば抜けて良いです。買うなら現行モデルをお勧めします。

②ダイハツ タント(スーパーハイトワゴン)

・新車時価格:145.2万円~
・WLTC燃費:18.2~21.4km/L
・全高:1755~1805mm

タントの魅力は何と言っても「ミラクルオープンドア」。助手席とその後ろのスライドドアを開くと、他の車にはない大開放空間が生まれます。傘を差したままでも出入りできるなど、大きな荷物を持って乗り降りする場合に便利です。また、アウトドアにも向いています。

2022年のマイナーチェンジではカスタムモデルの外観が刷新され、好評を得ています。スーパーハイトワゴンのなかでは、車両価格も比較的抑えめです。

③ホンダ N-BOX(スーパーハイトワゴン)

・新車時価格:169万円~
・WLTC燃費:18.4~21.6km/L
・全高:1790~1815mm

軽自動車の中では長らく新車販売台数が独走状態だったN-BOX。誰でも使いやすいデザイン、高い安全性など総合力の高い一台です。

2023年にフルモデルチェンジしましたが、先代モデル(2代目)の完成度が非常に高かったため、その差は特別大きくありません。フルモデルチェンジで2代目の相場価格が下がってきたため、コスト重視なら2代目をお勧めします。

◆ 

【走行性重視なら日産・三菱の軽がおすすめ!】
スーパーハイトワゴンでも、長距離運転が多いなら日産ルークス、山道や雪道の走行が多いなら三菱 デリカミニがおすすめです。
ルークスは非常に高い走行安定性を誇り、グレードによって高速走行時の運転を補助する「プロパイロット」を装備可能。また、デリカミニは坂道走行を補助する装備が充実しており、4WD車の性能が特に高いです。

④ダイハツ ムーヴキャンバス(ハイトワゴン)

新車時価格:146.3万円~
WLTC燃費:18.2~20.9km/L
全高:全高1655mm
ハイトワゴンでスライドドアを搭載しているのは、ムーヴキャンバスとスズキの「ワゴンRスマイル」のみ。どちらも愛らしいデザインが売りの車ですが、ムーヴキャンバスは内外装のデザイン性が非常に高いです。

前席には飲み物を温かい状態に保つ機能などを備え、快適装備も充実しています。
ただし、ワゴンRスマイルは安全装備や走行安定性の高さが魅力です。どちらでも好きなほうを選ぶと良いでしょう。

⑤スズキ ハスラー(ハイトワゴン、SUV)

・新車時価格:151.8万円~
・WLTC燃費:20.8~25.0km/L
・全高:全高1680mm

ハイトワゴンのワゴンRをベースに造られたハスラー。適度な広さと安定した乗り心地、秀でた悪路走破性、低燃費性、そして高いデザイン性と隙のない一台です。実際に、長年高い人気を誇ります。

ライバルのタフトに比べて価格は強気ですが、装備も全体的に充実しているので後悔しにくい軽自動車でしょう。中古車の流通量も非常に多いので、中古での購入もおすすめです。

▽⑥スズキ アルト(ロールーフ系)

・新車時価格:106.5万円~
・WLTC燃費:23.5~27.7km/L
・全高:全高1525mm

通勤用などコスト重視の場合にお勧めしたいのがアルト。100万円少々の価格ながら基本的な機能をしっかり揃えており、デザイン性も高い一台となっています。また、マイルドハイブリッドモデルは軽自動車トップの燃費数値です。

ライバルはダイハツのミライースですが、こちらはしばらくフルモデルチェンジを行っていないこともあり、安全装備の充実度などからアルトをお勧めします。

■各種ランキングで見るおすすめ車種

車選びは「自分(家族)に合うもの」を選ぶのが大前提ですが、人気のある車はそれだけの理由があることも多いです。燃費性能の違いも把握して選びましょう。

▽新車販売台数の多い5車種

2024年度の新車販売台数が多かった軽自動車TOP5は以下の通りです。

1位:ホンダ N-BOX
2位:スズキ スペーシア
3位:ダイハツ タント
4位:スズキ ハスラー
5位:スズキ ワゴンR(スマイル含む)

TOP3は、スーパーハイトワゴンでも王道の3車種でした。次いで、低燃費でデザイン性の高いスズキのハイトワゴンがランクインしています。

▽燃費性能の優れた5車種

燃費(WLTCモード)の良い軽自動車TOP5は、以下の通りです。
※2024年1月10日時点。OEM車の情報を除く

1位:スズキ アルト(最高27.7km/L)
2位:スズキ ラパン(最高26.2km/L)
3位:スズキ ワゴンR/スペーシア(最高25.2km/L)
4位:スズキ ワゴンRスマイル(最高25.1km/L)
5位:ダイハツ ミライース/スズキ ハスラー(最高25.0km/L)

■軽自動車選びでよくある質問

Q. 買ってはいけない軽自動車の特徴は?

買ってはいけない軽自動車は人によって異なり、基本的には「自分(家族)の使い方と合っていない軽自動車」と考えると良いでしょう。たとえば以下のような車です。

・後席を殆ど使わない人→スーパーハイトワゴンは×
・小さい子どもがいる人→ロールーフ系は×
・家族4人で乗る→ロールーフ系は×

また、ロングドライブが多い場合は、燃費や乗り心地の面から軽自動車自体を避けたほうが良い可能性もあります。

Q. 軽自動車選びで見るべきポイントは?

軽自動車選びで見るべきポイントは、以下の4つです。

・自分(家族)の利用用途に合うタイプか
・欲しい装備・機能があるか
・安全性は高いか
・燃費は良いか

詳しくはこの記事の前半で確認してください。

Q. 軽自動車にハイブリッド車はない?

軽自動車には、普通車のような本格的なハイブリッドシステムを搭載した車がありません。しかし、スズキや日産、三菱の軽自動車にはマイルドハイブリッドシステムが搭載されていることが多いです。

特に、スズキのマイルドハイブリッドシステムは性能が良く、他のメーカーの車に比べて燃費性能が優れています。

Q. 中古の軽自動車を選ぶ際のポイントは?

軽自動車はリセールバリューが高い傾向があり、低年式車を買っても普通車ほどはお買い得といえません。そのため、中古なら届出済み未使用車がおすすめです。

ただし、フルモデルチェンジで型落ちしたモデルなどは、中古車相場が下がりやすいです。この場合は、年式と走行距離のバランス(1年あたり5000~1万kmが目安)、修復歴の有無などを見て選ぶと良いでしょう。

   ◇   ◇

<ライター紹介>

car-topics 221616 編集部
世の中の自動車ニュースとは一味違う視点でスローニュースを発信。編集部員はクルマ初心者からクルマをこよなく愛するマニアまで幅広いメンバーで構成。全国のガリバーで売れている中古車や車のスタッフレポートなど、生の情報をお届け中。

(まいどなニュース/norico)