7歳以上の異性の更衣室同行禁止は妥当? ※AIによるイメージです(bephoto/stock.adobe.com)
7歳以上の異性の更衣室同行禁止は妥当? ※AIによるイメージです(bephoto/stock.adobe.com)

近年、プールの利用をめぐって「異性の子どもを更衣室に連れていくこと」の是非が注目を集めています。株式会社ベビーカレンダー(東京都渋谷区)が実施した「異性の子どもの更衣室・入浴施設への同伴」に関する意識調査によると、半数以上が「7歳以上の異性の更衣室同行禁止は妥当」と回答しました。では、異性の子どもが更衣室にいることについて、どのような不安を感じているのでしょうか。

調査は、1人以上子どもがおり、同社が企画・運営している『ファーストプレゼント』『おぎゃー写真館』『ベビーカレンダー全員プレゼント』のサービスを利用した686人を対象として、2025年5月にインターネットで実施されました。

その結果、「7歳以上の異性の更衣室への同行不可」というルールについて「妥当だと思う」と回答した人は全体の56.27%と半数以上を占めた一方で、「もう少し年齢を引き下げてほしい」は22.89%、「もう少し大きい子どもも同行させてほしい」は18.8%と、ルールの見直しを求める声も約4割にのぼり意見は大きく分かれる結果となりました。

「更衣室に同行可能な年齢をもう少し引き下げてほしい」と答えた197人に「適切と考える年齢」を尋ねたところ、「5歳以上は不可」(35.53%)が最多となり、「4歳以上不可」(15.74%)と「3歳以上不可」(16.75%)も合わせると全体の約2割が「5歳以下でも異性の更衣室同行は不適切」と考えていることが分かりました。

回答者からは「小児愛など異常な性癖を持つ人の目から守るため」「今の子どもは発育が早く、SNSなどの普及により、低い年齢でも性に関することに触れる機会が増えたため」など、犯罪被害や性的トラブル防止の観点からの声が多く挙がったほか、「子どもにも恥ずかしいという感情がでてきたため」「男女の違いを意識する子もいる」といった、子ども自身の羞恥心の芽生えや心理的な成長に配慮した意見も寄せられました。

一方、「もう少し大きい子どもも同行させてほしい」と回答した162人では、「8歳まで」(23.46%)、「9歳まで」(32.1%)、「10歳まで」(21.6%)といった回答が目立ちました。

回答者からは、「犯罪を防ぐためにも、もう少し大きい子どもも同行したい」「幼稚園や保育園を卒園して間もない子たちをひとりで更衣室に行かせるというのはどうなのだろう?と思う」「鍵っ子や短時間車で子どもを待たせるのは反対されたり虐待扱いされたりするのに、更衣室のような親の目の届かないところに行かせて何かあったら親の責任というのはおかしいと思う」などの意見が寄せられています。

次に、「異性の子どもが更衣室にいることについて、どのような不安を感じますか」と尋ねたところ、「子ども側が恥ずかしくないか心配」(51.60%)、「着替えの様子が見られてしまう」(50.00%)、「他人の着替えが見えてしまう」(33.67%)、「盗撮・不適切な撮影の可能性がある」(27.41%)といった回答が上位に挙がり、プライバシー面や安全面への懸念が浮き彫りとなりました。

また、「更衣室に異性の子どもを同行させる際の不安」については、「他の利用者の視線が気になる」(73.68%)や「子どもの着替えが見られてしまう」(37.78%)が上位となり、「不安を感じない」と回答した人は全体のわずか2.07%にとどまりました。

これらの調査結果から、育児の専門家である大阪教育大学教育学部教授の小崎恭弘氏は、「『羞恥心』や『異性に対する意識』などは、とても個人差が大きい」と前置きしつつ、「社会のルールは利用者全員が気持ちよく施設を使用するためにある。過度に羞恥心などを意識させる必要はないが、異性の身体的な違いなどに気付くタイミングでもある。だからこのような機会を不安だけに終わらすのではなく、子どもの成長に合わせる形で、保護者の想いや社会の環境について、積極的に子どもとお話をできるようにしてほしい」と述べています。

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【出典】
▽株式会社ベビーカレンダー