「歩くのもやっとなのに、ちゃんとトイレに行くうりぽんさん、本当にすごいです。ありがとうね、ありがとうね」
そんな短い言葉を飼い主さんがつぶやいた投稿が、SNS上で多くの共感を集めました。投稿者は「ももぴの家来」さん(@saitoummp)。投稿で紹介されたのは、長年寄り添ってきた愛猫・うりぽんさんの姿でした。
後日、ももぴの家来さんは「23年と4カ月の長い旅を終え、うりぽんは天国へ旅立ちました」と報告。保護した当時から一緒に過ごしてきたうりぽんさんとの「最高に素敵な毎日」を振り返り、改めて感謝の言葉をつづっています。
■「プライドが高く、でも強い猫」うりぽんの素顔
ももぴの家来さんはうりぽんさんの性格をこう話してくれました。
「他の子よりとてもプライドが高く、他の猫の前では甘えない。運動神経がよくて家中を走り回り、おもちゃで遊べと催促してくる子でした。抱き上げると筋肉の硬さが際立つ、頼もしい子でもありました」
年を重ねても自己を貫く姿に、ももぴの家来さんは「最後まで自分の力で生き抜くという強い意志」を感じたと振り返ります。
■ 「何が何でもトイレに行く」飼い主が受けた強い印象
老猫になって歩くのも大変になったうりぽんさん。それでもトイレに向かう姿を見て、ももぴの家来さんはこう語りました。
「垂れ流しでもいいようにトイレシートをたくさん敷いたのに、何が何でもトイレに行くんだという気持ちが伝わってきました。最後まで自分の尊厳を保とうとする姿に胸を打たれました」
多くのリプライも同じ観察を共有しました。「猫はプライドが高く、最期までトイレに行こうとする」「褒めてあげると安心する」といった飼い主同士の経験が寄せられ、投稿欄は同情と励ましのコメントであふれました。
■ 「寄り添っているつもりが、実は寄り添われていた」
ももぴの家来さんは、うりぽんさんとの時間をこう総括します。
「手間がかかるということは、こちらの苦労以上に介助される側の辛さも募るのだと感じました。生きてほしいという感情に無駄に長くつき合わせてしまったかなと、今は思います。でも、寄り添っているつもりが、こちらが寄り添われていたようでもあり、本当に感謝しかありません」
「最後まで一緒に居られたことが、家来には何よりのご褒美です」との言葉が、読者の胸を締めつけます。
■ 読者へのメッセージと、老猫と暮らすヒント
今回の投稿には、多くの飼い主から実践的なアドバイスも寄せられました。ポイントは次の通りです。
「失敗しても褒めて安心させる(「大丈夫よ!大好き!」を伝える)」
「歩行が難しくなったら、トイレまでシートを並べるなどの工夫をする」
「介護は飼い主の負担も大きいが、最後まで寄り添う時間はかけがえのないものになる」
老猫との暮らしは決して楽ではありませんが、飼い主と猫が互いに支え合う日々には深い意味がある-そんな声が、投稿とその反響からはっきりと伝わってきます。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)