可愛くない」と言われた猫がXで話題に(遠藤さん提供)
可愛くない」と言われた猫がXで話題に(遠藤さん提供)

SNSで注目を集めたのは、群馬県みなかみ町の「みらい動物病院」を運営し、環境動物福祉「みらい財団」代表でもある遠藤静代さん(@shizuyo55)の投稿。

「可愛くないからポストするなって。私にとってはこんなかわいい子いないと思っています。大切なオパーレ、本当にかわいいと自慢したいです」

白黒ハチワレ模様に口元のブチが特徴のオパーレくんの写真は、瞬く間に拡散されました。

■ 共感広がる「うちの子も言われた」体験談

リプライ欄では「うちのサビ猫も『微妙』って言われた」「鼻の模様を笑われたことがあるけど、私にとっては一番可愛い」といった声が多く見られました。

また「めちゃくちゃ可愛いじゃないですか!」「模様がむしろチャームポイント」というポジティブな意見も多数。オパーレくんの姿は「猫は見た目じゃなく愛情で輝く存在」というメッセージを広く伝えるきっかけになりました。

■ 名前に込められた「宝石のような思い」

「オパーレ」という名前はイタリア語で宝石の「オパール」が由来。保護当時は体調が悪く、赤茶色から紫がかった毛並みに変わっていったため、「オパールのように色が変わる」と名付けたそうです。1カ月後には艶やかな黒い毛並みになり、今では優しい性格で誰とも争わない“自慢の子”に成長しました。

■「見た目より、命の尊さを」

遠藤さんは、病院や財団の活動を通じて「見た目で評価されてしまう動物の現実」にも触れます。

「足がない子や片目の子は寄付が集まりやすいですが、実際に救われる子は限られます。かわいそうというイメージだけが利用されることもあるんです」

投稿には、そうした現状を知ってほしいという願いも込められていました。

「ひとりではすべての命を救えません。だからこそ理解や協力を広めるために発信を続けています」

■「あなたのそばにも“オパーレ”がいるかもしれない」

最後に遠藤さんはこう呼びかけます。

「もし身近にオパーレのような子がいたら、ぜひ助けてください。そして愛される機会を与えていただけたらと思います」

“可愛くない”と言われたオパーレくんは、飼い主にとっても多くの人にとっても唯一無二の存在。この投稿は、私たちが「動物のかわいさ」をどう受け止めるかを改めて問いかけています。

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)