1960年代から70年代にかけ世界的な人気を博し、現代のロック、ポップスに多大な影響を与えたザ・ビートルズ。
今、SNS上ではそんなビートルズを批判する1960年代の作文が大きな注目を集めている。
「昭和の女の子が提出した作文、ビートルズの悪口書きまくってて最高。」と件の作文たちを紹介したのはkotoriこと作家、明治娯楽物語研究家の山下泰平さん(@kotoriko)。
「ビートルズ
じっとしていられないこの浮浪児歌手。
ビートルズのためにどんないけないことがあるのか、あなたたちはしっているか。
スカーフをふりまわし、あたまをかきむしり、エレキをはじく。
それをみてキャアキャアいうファン。
あなたたちのたった一つのしかも下品な動作にも気ちがいじみたファンはこうするのだ。」
「うちのおとうさんと、おかあさんはいう。
『どこがいいだや。わからないね。バカみたいだに。』
ほかのうちのおとうさん、おかあさんもそうだろう。
あなたたちはほんとにばかみたいだ。」
現代の我々からするといささか理性を欠いた批判のように思えるが、1960年代当時はまだまだ封建的、保守的な思想が社会に蔓延しており、都市部とそのほかの地域では、かなりの隔たりがあった。ビートルズが1966年に来日して日本武道館公演を開催した際も、保守系文化人や右翼団体、PTAなどからは相当な批判があったのだ。
山下さんにお話を聞いた。
ーーこれらの作文が掲載されていた冊子は?
山下:昔の子供の作文を集めた「おかあさんあのね 3」(太平出版社・1966年刊)です。
ーーこれらの作文をご覧になって。
山下:明治時代の苦学について調べているうちに目についてたまたま読んだのですが、当時の子供たちが必死で悪口を考えているのを微笑ましく思いました。
反響に対してもいろいろな感想があるもんだなと思いました。
◇ ◇
SNSユーザー達から
「保守的な価値観を持ってる方が当時は少数派になるくらいにビートルズの人気が凄かったから逆にロックに見えるって言うおもしろ作文ですね。今の時代の人が見たら評価されそうな感じもまさに時代と共に変わる価値観を反映してる。」
「でも、よく考えて欲しい。 昭和の全体主義的学校教育では、こういった作文が良しとされ評価されていたとしたら、別の意見を言えなかったとしたらだいぶ闇深い作文なのではないだろうか?」
「おとうさんおかあさんのせりふが遠州弁ですね。 #そこじゃない」
など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。
社会の感覚や常識は数十年で大きく変化してゆく。読者のみなさんはこれらの作文を読んでどのように感じるだろうか。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

























