働き方や老後の生活への関心が高まる時期を迎えている就職氷河期世代は、自らのキャリアや老後についてどのように感じているのでしょうか。WeCapital株式会社(東京都港区)が実施した「就職氷河期世代のキャリア・生活・老後不安」に関する調査によると、これまでのキャリアに関する不満は「給料が思うように上がらない」が約半数となりました。また、約7割が「老後は年金だけでは生活できない」と回答したことがわかりました。
調査は、現在働いている就職氷河期世代(1970年~1983年生まれ)男女1013人を対象として、2025年9月にインターネットで実施されました。
はじめに、「これまでのキャリアの中で、感じている不満や後悔」を聞いたところ、「給料が思うように上がらない」(45.1%)、「希望の仕事につけなかった」(31.3%)、「責任や業務量に見合った報酬や評価が得られない」(23.0%)が上位に挙がりました。
続けて、「1カ月に自由に使える金額」を教えてもらったところ、「1万円~3万円未満」(35.7%)が最多となったほか、「0円(自由に使えるお金がない)」(4.3%)という人も見られ、全体の約6割が「月3万円未満」にとどまっていることが明らかとなりました。
そこで、「1カ月に自分で自由に使えるお金(またはお小遣い)の金額の満足度」を聞いたところ、57.2%が「不満(やや不満+とても不満)と回答。
ちなみに、「心に余裕が持てる金額」については、「5万円~10万円未満」(32.7%)や「3万円~5万円未満」(28.1%)に回答が集まり、実際の自由に使える金額とのギャップが大きい様子がうかがえました。
次に、「老後の生活の不安」を尋ねたところ、「年金だけでは生活できない」(72.8%)が最も多く、次いで「医療費や介護費が増える」(52.4%)、「働き続けられるか不安」(42.3%)が続きました。
そうした老後の生活に対する不安を感じる中、「政府や自治体による『就職氷河期世代への支援策(再就職支援・年金対策など)』についての考え」を聞いたところ、80.0%が「期待していない(あまり期待していない+全く期待していない)」と回答し、政府・自治体の取り組みに対する信頼の低さがうかがえます。
「期待していない」と答えた人からは、「支援のタイミングが遅すぎる」(40代女性)、「30年以上何も変わっていないから」(40代女性)といった声が寄せられたほか、「ばら撒きはあまり良く無いと思っている」(50代女性)、「資金は責任を持って自身で増やすものだと思う」(50代男性)などの意見も挙がり、支援のあり方そのものに対する価値観の違いが浮き彫りになりました。
一方、「あればとよいと思う就職氷河期世代への支援」については、「年金制度の見直し(受給額の増額・受給開始年齢の改善など)」(63.3%)、「医療費や介護費の軽減措置」(45.5%)、「給付金や生活支援金などの直接的な金銭的支援」(40.6%)が上位に挙がり、現実的かつ直接的な負担軽減策へのニーズが高いことが示される結果となりました。
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【出典】
▽WeCapital株式会社/「就職氷河期世代のキャリア・生活・老後不安」に関する調査

























