イタリア北部で見つかった恐竜の足跡(エリオ・デッラ・フェッレラ/Arch.PaleoStelvio提供・共同)
 イタリア北部で見つかった恐竜の足跡(エリオ・デッラ・フェッレラ/Arch.PaleoStelvio提供・共同)

 【ローマ共同】イタリア北部ロンバルディア州のステルビオ国立公園で、恐竜が残した数千の足跡が見つかった。年代は2億年以上前にさかのぼるとみられ、爪痕がはっきり分かるほど保存状態が良いという。専門家は「世界でも有数の足跡群だ」と指摘している。

 発見場所は来年2月のミラノ・コルティナ冬季五輪会場になっているボルミオやリビーニョの近く。今年9月に野生動物を撮影していた写真家が岩壁にある多数のくぼみに気付き、ミラノ自然史博物館に連絡して本格的な調査が始まった。

 足跡は約5キロの範囲に及び、一部は直径40センチに達していた。大部分は二足歩行の草食恐竜のものとみられ、全長10メートルになるプラテオサウルスに類似した特徴があった。ただ、正確な特定にはさらなる調査が必要という。

 ミラノ自然史博物館の生物学者クリスティアーノ・ダルサッソ氏は、1平方メートル当たりに4~6の足跡が密集している点などを踏まえ「恐竜が群れで一緒に移動し、敵から身を守るために行動していた証拠だ」と発見の意義を強調した。