子どもに「ワンワン」と言われがちな主人公(幸池重季さん提供)
子どもに「ワンワン」と言われがちな主人公(幸池重季さん提供)

犬を飼っていた人の中には、亡くなった愛犬が今もそばにいるような気がするという人は少なくないでしょう。Instagramで人気の漫画『あうんのてんぽ』(作:幸池重季さん)のスピンオフ作品『calledわんわん』では、そんな見えない絆を描いたエピソードが話題を呼んでいます。

ある日、女性が友人とその2歳の息子と一緒に食事をしていたとき、突然、その友人の息子が女性を指さして「ワンワン!」と言い出しました。最初は何のことかわからず戸惑ってた女性ですが、ふと以前飼っていたシーズー犬のことを思い出します。そして友人の息子に、飼っていたシーズー犬の写真を見せたところ、彼は嬉しそうに「ワンワン!」と反応し、さらにまた女性を指差しました。

それ以来、女性は別の2歳くらいの子どもたちにも「ワンワン」や「犬」と言われて指をさされることが何度か続きます。周囲の大人たちは不思議そうにしたり、謝ったりと反応はさまざまでしたが、中には「以前、犬と暮らしていましたか?」と尋ねる人もいました。その言葉に女性は、生前のシーズー犬を思い出し、思わず涙が出そうになるのでした。

この出来事がきっかけに、女性は「亡くなった愛犬が今もそばにいるのかもしれない」と感じるようになります。そう思うことで、女性は愛犬と今も生きているように感じられて嬉しくなるのです。

犬への愛にあふれた同作について、作者の幸池重季さんに話を聞きました。

■たくさんの人との出会いで生まれた『犬の不思議話』

ー同作を描くきっかけがあれば教えてください。

AUNITEMというショップをやってて、全国巡回展もしてます。するとたくさんの人に会って、犬の不思議な話をいろいろと耳にすることが多くなりました。

そこで、うちのYouTubeリスナーさんや、お店のお客様の不思議な体験談を取材して、漫画にしてみようと考えたのがきっかけです。

このエピソードも、その募集の中で寄せられた実際の体験談のひとつで、イベントに何度も足を運んでくださっている顔見知りの方が話してくれました。とても印象深いお話でしたので、漫画として描かせていただきました。

ー同作以外で、印象的だった犬の不思議な話はありますか?

たくさんありますよ!

特に印象的だった話は漫画『犬の不思議話』シリーズとしてInstagramで配信していますので、ぜひそちらからご覧ください。

ー読者へのメッセージを。

『いぬのきもち』で犬漫画を連載中です。それと現在、シーズーマンガ『あうんのてんぽ』の10巻が発売中です。私が運営しているネットショップで購入可能ですので、ぜひ読んでください。11巻も製作中なので、こちらもご期待ください!

(海川 まこと/漫画収集家)