江戸時代の走り方を10年間研究する大場克則さん
江戸時代の走り方を10年間研究する大場克則さん

カニのように横に走る「江戸時代の走り方」が話題になっている。

江戸時代の走り方を10年間研究する大場克則さん(katsunori_oba)が提唱するのは、体を横に構え、脱力して走る方法。頭の位置を変えず、江戸時代の飛脚の走りである、手足を左右同時に出すナンバ走りのようにスリ足で移動するので、体力も温存でき負担も少ないそうだ。Instagramに投稿されたリール動画は、なんと1348万回再生を突破。令和に"江戸走り"が注目を集める理由は?

大場さんに話を聞いた。

--横走りとは、どんな場面で誰が使っていた走法ですか? 

大場:今回の動画での横走りは一種の実験映像で、忍者がおこなっていた様々な歩き方の再現をイメージしたものです。甲賀忍者の末裔である藤田西湖さんの書籍「どろんろん」では、前方、後方、横歩き、斜め歩き、這行、速歩の6種あると書かれています。

--横走りのコツは? 

大場:まず半身の姿勢を作ること。左に走る場合、左足、左腕を外側に回し、右足、右腕を内側に回します。それにより安定した走りができるようになります。 

--現代の走り方と、決定的に違うポイントはどこですか?   

大場:現代は手足を前後に振って走りますが、江戸時代は手足を内側・外側へと回して走るところ。さらに身体が倒れる重力を使って走るので、力を抜くほど速くなる特徴があります。 

--現代の走り方と比べて優れている点は? 

大場:どちらが優れている、とは言い難いですが、筋力に頼らないので年齢を重ねても走れる可能性があること、つま先で柔らかく着地するので膝への負担が軽いこと。地面を蹴らないので砂地や泥や雪で滑りやすい場所でも走りやすいことでしょうか。

--今後の研究について

大場:今後は専門家による歴史的および運動工学的な検証をしていただき、知見を基に歴史的資料に矛盾しない走り方を確立したいと考えています。それが日本の文化として100年先の未来に残ってくれれば私の役目が果たせるのでは。その実証実験として、江戸から京都までの東海道五拾三次を江戸時代の走り方で走る検証をしたいと計画しております。

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SNSでは「職場に曲がり角が多いので使えそう」「いつか使いそうだから保存した」「これで鬼ごっこ無双します」「登下校これにします」「盗塁成功率あがりそう」「電車と並走する時にやってみます」「サッカーこれでやったら怒られました」などの反響が寄せられた。

なお、大場さんは名古屋・大阪など各地で「江戸時代の走り方講座」といった講座を開催中。ご興味ある方はInstagramのアカウントをチェックしてほしい。

(まいどなニュース特約・米田 ゆきほ)