さゆりは「シンプルなの大好き!」と喜んでいたが…(田丸はるかさん提供)
さゆりは「シンプルなの大好き!」と喜んでいたが…(田丸はるかさん提供)

クリスマスや年末年始には、プレゼントを贈る機会も多くなります。贈り物がいつか使われなくなることもあります。田丸はるかさんの作品『7年前のプレゼントを偶然見つけてしまった話』では、友達にあげたプレゼントの現在が描かれています。同作はX(旧Twitter)に投稿されると、1.9万ものいいねと議論が巻き起こりました。

主人公は、友人のさゆりにシンプルなマグカップをプレゼントします。さゆりは「ありがとう!ずっと大切にする!」と嬉しそうに語りました。それから7年後、主人公は偶然さゆりの動画チャンネルを発見します。

さゆりのチャンネルでは、自宅のルームツアー動画をあげていました。動画内で「お気に入りのマグカップはここにたくさん置いてあります」と指差すさゆりの先には、フォロワーにおすすめされたというオイルスプレーが。

オイルスプレーは「結構油でベタベタになるから」と、なんとあのときプレゼントしたマグカップに入れられていたのです。主人公はテレビをそっと消し、同じマグカップに入ったドリンクを飲むのでした。

読者からは「確かに大切にはしてるけど…こんな使われ方してたらつらい」「ずっと持っててくれてうれしいとしか思わなかった」など賛否両論が殺到しています。作者の田丸はるかさんに話を聞きました。

■配信者の動画がきっかけで描いた作品

-同作を描いたきっかけを。

Vlogを見るのが好きなのですが、ある配信者さんが購入していたマグカップが、数カ月後にペン立てになっているのを動画内で発見し、「もしこれが友だちからのプレゼントだったら相手はどう思うかな」と、想像したのがきっかけです。

-もし田丸さんが、プレゼントしたマグカップが今回のような使われ方をされていたら。

漫画と同じ7年後であれば主人公のようなリアクションではなく、笑ってしまうと思います。「あ!あれはひょっとして…!?」みたいな。

-賛否両論コメントが寄せられていました。

読んで微妙な気持ちになる人が多いかなと予想していたのですが、結果的に賛否両論のコメントで驚きました。「用途を変えてでも持っていてくれることがうれしい」「自分も似たようなことが…」など、自分の視点だけではわからない意見をいただくのは今回に限らず非常にありがたいです。

-読者へのメッセージを。

現在はXにて漫画を週1投稿しています。最近はたくさんの方々に読んでいただけているみたいでとてもうれしいです。SNSによって漫画のテイストを変えるようにしているので、これからも各場所で様々な作品を発表できればと思っています。ぜひチェックしていただけるとうれしいです。

(海川 まこと/漫画収集家)