日本の保護者は「身近な人間関係」を重視する傾向 ※画像はイメージです(miya227/stock.adobe.com)
日本の保護者は「身近な人間関係」を重視する傾向 ※画像はイメージです(miya227/stock.adobe.com)

公益財団法人スプリックス教育財団(東京都渋谷区)は、基礎学力に対する意識の現状を把握することを目的に、「基礎学力と学習の意識に関する保護者・子ども国際調査2025」を実施しました。それによると、日本の保護者は「身近な幸せ」を子どもに期待する傾向が強い一方で、 海外の保護者は「将来の社会的な役割」を子どもに期待する傾向が明らかになりました。

調査は、世界11カ国の小学4年生および中学2年生相当の子どもを持つ保護者2313人を対象として、2025年4月~8月の期間にインターネットパネルおよび学校、自宅にて実施されました。

なお、調査参加国はアメリカ、イギリス、フランス、中国、南アフリカ(各300人)、エクアドル(173人)、ペルー(75人)、エジプト(86人)、インドネシア(87人)、ネパール(104人)、日本(288人)となっています。

「あなたにとって子どもはどのような存在ですか(子ども観)」という質問に対し、各国の保護者に11の選択肢から選んでもらったところ、日本の保護者は「喜び(私の人生に幸せと笑いをもたらしてくれる存在)」(90%)が圧倒的に多くなった一方、「自立(子自身が自立した存在)」(23%)や「社会貢献(将来の社会を担ってくれる存在)」(16%)は他国と比べて低い結果となりました。

他方、海外の保護者でも「喜び(私の人生に幸せと笑いをもたらしてくれる存在)」(パネル調査70%、学校調査59%)が最多となったものの、「社会貢献(将来の社会を担ってくれる存在)」(同44%、49%)や「自立(子自身が自立した存在)」(同45%、44%)といった「親の喜びであるが、子どもは独立した存在であり、将来の社会の担い手である」と認識する傾向が強く、社会的役割への期待が日本より強いことがわかりました。

また、「子どもに、将来どのような人になってほしいと思いますか(将来への期待)」という質問に対しては、日本の保護者は「自分の考えをしっかり持つ人」(68%)や「自分の家族を大切にする人」(58%)、「他人に迷惑をかけない人」(46%)といった身近な人間関係を重視する回答が上位に挙がりました。

他方、海外の保護者では「自分の家族を大切にする人」(同46%、48%)、「経済的に豊かな人」(同47%、26%)、「社会のために尽くす人」(同34%、37%)など、社会的・経済的な成功を重視する傾向が表れました。

では、保護者の「子ども観」と「将来への期待」はどのような関係があるのでしょうか。

調査の結果、ネパールを除いて「子は親の喜びである」が「子ども観」の1位となり、「将来への期待」は南アフリカ、中国、エジプト、ネパール、日本以外の国で「家族を大切に」が1位にきていることから、「親にとって子は生きがいであり、家族を大切に生きてほしい」という意識は世界共通の認識であることが示唆されました。

また、日本以外の多くの国では「社会貢献」や「自立」を強く認識しており、それが将来への期待の「経済的に豊か」「社会に尽くす」につながっている可能性が示唆されます。

一方で、「子ども観」において、「かすがい」を選んだのは日本だけであったり、「将来への期待」で「自分の考え」を最も期待しているのは日本と中国だけであったりと、日本の家族観の独自性も改めて明らかになりました。

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【出典】
▽スプリックス教育財団調べ