「学生起業に興味はある」けれど、現実的な選択肢は「就職」 ※画像はイメージです(metamorworks/stock.adobe.com)
「学生起業に興味はある」けれど、現実的な選択肢は「就職」 ※画像はイメージです(metamorworks/stock.adobe.com)

社会人になってから起業した人の約6割が「学生時代に戻れるなら、起業してみたい」--そんな調査結果が、株式会社ANOBAKA(東京都港区)による「学生のキャリア選択」に関する実態調査で分かりました。調査からは、学生起業をめぐる意識と実際の行動との間に、興味深いギャップも浮かび上がっています。

調査は、起業家・学生など103人(社会人起業家62人、現役・準備中・元学生起業家含む学生起業家27人、起業経験がない学生14人)を対象として、2026年7月~8月の期間にインターネットで実施されました。

学生時代に起業を経験しなかった社会人起業家62人に、「もし学生時代に戻れるなら、学生起業をしてみたいと思いますか」と聞いたところ、58.1%「学生起業をしてみたい」と回答しました。

その一方で、学生時代に「起業という選択肢をかなり具体的に考えていた」とした人は14.5%にとどまり、「全く意識していなかった」は45.2%、「少しだけ意識していた」は40.3%と、現在は起業家として活動している人でさえ、学生時代には起業をキャリアの選択肢として十分に認識していなかったことが明らかとなりました。

「学生時代に起業しなかった理由」としては、「起業に関する知識不足」(59.7%)が最多となったほか、「事業アイデアが定まっていない」(51.6%)、「資金不足」(25.8%)といった意見も見られ、学生起業のハードルとして大きいのは、資金そのものよりも、知識やアイデア、仲間といった“ソフト面”であることがうかがえました。

また、「学生時代にやっておくべきだったと感じること」では、「長期インターンや起業・副業などの実践的なビジネス経験」(64.5%)、「海外留学や旅、学外活動など視野や価値観を広げる多様な体験」(37.1%)、「プログラミング、デザインなどの専門スキル・ツールの習得」(27.4%)が上位に並びました。

他方、実際に学生起業を経験した27人のうち、77.8%が「起業してよかった」と回答。その理由としては、「若い今の時期なら大失敗してもリカバリー可能だと感じるため」(44.4%)、「素晴らしい仲間や投資家との出会いがあったため」(22.2%)、「社会人では得られない圧倒的な成長機会があるため」(14.8%)といった意見が挙がりました。

一方、学生起業家が感じたハードルでは、「社会的信用や経験・ノウハウの不足」(40.7%)や「チーム作り・人材採用」(25.9%)などに回答が集まり、ここでも、資金面以上に、経験や人材などの問題が大きな壁になっている様子が見てとれました。

なお、全体の81.6%が「今の学生は起業しやすい環境にある」と回答しており、特に学生起業家では100%が同意しています。

一方で、「大学のキャリア教育はもっと起業を推奨すべき」という意見への賛同は31.1%にとどまりました。

起業を選択肢として知ることは重要である一方、すべての学生に起業を勧めるのではなく、必要な情報や環境を整えたうえで、それぞれが自分に合ったキャリアを選べるようにすることが求められているようです。

また、起業経験のない学生14人への調査では、7割超が起業に「かなり興味がある」と回答しました。

しかし、現実的なキャリアの選択肢としては「起業」より「就職」を選ぶ人が多く、その背景として、「起業にはリスクがある」「失敗したときのリスクや収入の不安定さが不安」といった声が挙がりました。ちなみに「挑戦したい事業領域」としては、「生成AI領域」が最多となっています。

本調査からは、学生の中に起業への関心がありながらも、「何をすればいいのかわからない」「知識がない」「相談できる人がいない」といった理由で、実際の一歩を踏み出せない状況が見えてきました。

学生にとって必要なのは、単に「起業を勧める」ことではなく、興味を持ったときに相談できる人や仲間、実践的な知識を得られる機会など、最初の一歩を踏み出せる環境なのかもしれません。

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【出典】
▽ANOBAKA調べ『学生のキャリア選択に関する実態調査』