兵庫県立明石公園西芝生広場で、明石城を借景に演じられる「明石薪能」が、10月21日夕方からある。かがり火がたかれ、狂言と能が楽しめる。(有冨晴貴)

 薪能は夜にかがり火をたいて演じる能楽。明石公園では1989年、市内の能楽愛好家や商工業者が市制70年を記念して始めた。2007年からは、屋根付きの本格的な組み立て式能舞台を使っている。コロナ禍で中止が続いていたが、昨年3年ぶりに復活した。

 今年の演目「天鼓」は、古代中国が舞台。少年の天鼓は、天から降ってきた美しい音の鳴る鼓を持つ。あるとき皇帝から鼓を差し出すよう命じられるが、拒んだため川に沈められ処刑される。鼓は宮中に献上されたが、誰が打っても鳴らなくなってしまう。しかし天鼓の父親が打つと澄んだ音色が響き、物語が一気に進んでいく。

 明石薪能の会副会長で、観世流能楽師の笠田昭雄さん(64)によると、天鼓の父親は処刑されると思いながら鼓を打ちに行く。「父親の命がけの行動が前半一番の見どころ。分かりやすい物語で、初心者でも楽しめると思う」と話す。

 午後5時半開演。自由席は前売り3千円、当日3500円、高校生以下千円。前売り券は明石文化国際創生財団やあかし案内所、チケットぴあなどで販売している。同財団TEL078・918・5085。

 また、開催前に能の基礎知識や天鼓の解説をする講座「お能を楽しむための会」も開かれる。10月6日午後6時半、14日午前10時、同日午後1時からの3回。いずれも1時間半。無料だが申し込みが必要。専用フォームか、名前、電話番号、希望日を記入してファクス(078・918・5121)かメール(event@accf.or.jp)で申し込む。