カコン、カコン。古びた建物に、軽快な音がこだまする。2004年に閉校した旧阿那賀小学校(南あわじ市)の体育館。卓球クラブ「阿那賀ジュニア」の活動拠点だ。
全国大会に出場する選手を多く育ててきた淡路島きっての名門チーム。今夏、初めて地域クラブとして中学総体に出た。所属する西淡中学校(同市)3年の堀颯斗さん(15)は「最後に出られて良かった」と朗らかに話した。
野球、サッカー、バスケットボール…。中学生になり、よりどりみどりの中から部活動を選べたのは昔の話。少子化を背景に、国は部活動の受け皿を地元の団体やチームに求める地域移行を進めることに決めた。
県内の先陣を切って、本年度から導入した南あわじ市。今夏の総体は、3競技5団体が従来の学校単位ではなく地域クラブとして出場。その一つ阿那賀ジュニアからは卓球部がない西淡中の2人が大会に臨んだ。