台風10号の接近に備え、淡路島3市は避難所を開設し、バスや船は31日の運休を決めた。29日夜には台風の影響で南あわじ市に線状降水帯が発生し、冠水や停電があったほか、同市と洲本市では市民が公民館などに一時避難した。島内では警戒感と不安が再び高まっている。
29日夜の豪雨の影響で、南あわじ市内の約1430軒が停電。同市で冠水により3カ所、規制値を超える雨量のため3カ所がそれぞれ通行止めになった。
交通事故も同日、同市内で2件発生。1件は冠水した道路で車が立ち往生し、もう1件は冠水場所を避けようとした車が脱輪した。
同市は同日から、各地区公民館など避難所24カ所を順次開設。同日午後8時過ぎ、市内全域に避難指示を出し、同市と洲本市で計10世帯13人が避難した。
南あわじ市広田広田の広田地区公民館では、近くの池田智子さん(77)が同日午後2時ごろから避難を続けた。市外に住む子どもと相談して避難を決め、食料を持参し、タクシーで来たという。「大雨で停電し、転んだことがある。明るい時間に避難して良かった。いつまでいようか判断が難しい」と不安を口にした。
洲本市は30日午後5時、市役所や公民館など20カ所に自主避難所を開設。市内約40カ所の防潮施設や水門も閉めた。淡路市も4カ所に自主避難所を設けた。
30日午後5時時点で南あわじ市は5世帯5人、淡路市は6世帯8人が避難した。
淡路交通や本四海峡バスなど4社は、共同運行する島内各地と神戸、大阪方面を結ぶ高速バスと島内で運行する一般路線バスについて、31日は全て運休する。
淡路市のコミュニティーバス「あわ神・あわ姫バス」や、岩屋港(同市岩屋)と明石港(明石市)を結ぶ高速船「淡路ジェノバライン」も同日の運休を予定する。
洲本港と深日港(大阪府岬町)を結ぶ深日洲本ライナーは31日と9月1日、終日運航を取りやめる。