「阪神・淡路大震災から」をテーマに講演する安藤忠雄さん=神戸市中央区北野町1、ANAクラウンプラザホテル神戸
「阪神・淡路大震災から」をテーマに講演する安藤忠雄さん=神戸市中央区北野町1、ANAクラウンプラザホテル神戸

 日本建築学会の全国大会が12日、神戸市内で始まり、建築家の安藤忠雄さんが「阪神・淡路大震災から」をテーマに記念講演した。震災後に手掛けた淡路市のリゾート施設「淡路夢舞台」に込めた思いなどを語り、約700人が耳を傾けた。

 安藤さんは阪神・淡路大震災の直後、「あの美しい神戸がこうなってしまうのか」と衝撃を受けたという。

 兵庫県内で手掛けた作品をスライドで紹介しながら、震災後に設計した「淡路夢舞台」について説明。明治時代の植林で緑がよみがえった六甲山をイメージし、造成された山の斜面に苗木を植えたといい、「建築は建てたら終わりではなく、つくったものをどう育てるかが大事。未来を見据え、建築を通じて社会にメッセージを届けたい」と話した。(木村信行)