死産した赤ちゃんの遺体を下水道に流したとして、死体遺棄の罪に問われた兵庫県丹波篠山市の会社員で、ベトナム人技能実習生の女(22)の初公判が21日、神戸地裁(金川誠裁判官)であった。検察側は「死体を汚物同様に廃棄し、生命への哀悼の意思も認められない」と懲役1年6月を求刑。弁護側は「妊娠すれば帰国させられてしまうと思い込んだ結果」などと、執行猶予付き判決を求めた。
起訴状などによると、女は5月18日、丹波篠山市内にある会社の女性社員寮共同トイレで、死産した赤ちゃんを下水道に流して遺棄したとされる。
検察側は冒頭陳述などで、女は妊娠発覚で会社を解雇され、帰国させられるなどと考えたと指摘。インターネットで中絶薬を手に入れ、服用したと説明した。
弁護側は弁論で、女の来日のために母親が100万円の借金をし、返済と母親への仕送りのために女は日本での仕事が必要だったことを明かした。女は被告人質問で「妊娠がばれるのが怖くて隠した」と話し「子どもに申し訳なく思う」と泣きながら語った。