7番勝負の第3局で勝ち、対局を振り返る藤井聡太王位=31日午後、徳島市、渭水苑
7番勝負の第3局で勝ち、対局を振り返る藤井聡太王位=31日午後、徳島市、渭水苑

 将棋の藤井聡太王位(22)=竜王、名人、王座、棋王、王将、棋聖=に渡辺明九段(40)が挑む「伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦」(神戸新聞社主催)7番勝負の第3局は31日、徳島市の渭水苑で指し継がれた。午後7時14分、先手番の藤井が111手までで勝ち、対戦成績を2勝1敗として防衛に向けて前進した。

 今期初の角換わり戦となった本局。1日目午前に渡辺が仕掛けると、藤井は3時間10分の長考を経て反撃に転じた。2日目は渡辺の封じ手「6六角」(44手目)から角交換に。互いに角を打ち合い、さらに渡辺が果敢に飛車交換を挑んで激しい攻防が続いた。藤井は2一飛(63手目)から後手玉に絡む。渡辺は飛車捨てから6七角成(70手目)と迫り、寄せ合いに。終盤の混戦模様から藤井が際どい勝負を制した。投了図は即詰みになっている。

 立会人の小林健二・九段(67)は「渡辺九段がうまく立ち回り、藤井王位の苦しい展開だった。最後は逆転につなげた藤井王位の終盤力が光った一局」と総括した。

 持ち時間各8時間のうち残りは藤井2分、渡辺1分。第4局は8月19、20日、佐賀県唐津市の洋々閣で指される。

自信なく、苦しい形も

 藤井聡太王位の話 7五歩(30手目)と仕掛けられて、思った以上に難しい局面になった。封じ手(44手目)のあたりは自信がなかった。9四角(56手目)が厳しい一手で、苦しい形になってしまった。最後はどうなっているか、ずっと分からなかった。

終盤は分からなかった

 渡辺明九段の話 7五歩(30手目)の仕掛けは予定だった。2四同飛(58手目)としたが、2一飛(63手目)と打ち下ろされては、どうだったか。6九飛(68手目)は成算があったわけではない。終盤は何かあったと思うが、分からなかった。

【王位戦中継サイト】こちら

【特集ページ】王位戦