立会人の福崎文吾九段(右)から封じ手を示される渡辺明九段(左)。中央は藤井聡太王位=28日午前、神戸市北区有馬町、中の坊瑞苑(撮影・風斗雅博)
立会人の福崎文吾九段(右)から封じ手を示される渡辺明九段(左)。中央は藤井聡太王位=28日午前、神戸市北区有馬町、中の坊瑞苑(撮影・風斗雅博)

 将棋の藤井聡太王位(22)=竜王、名人、王座、棋王、王将、棋聖=に渡辺明九段(40)が挑む「伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦」(神戸新聞社主催)7番勝負の第5局は28日午前9時、神戸市北区、有馬温泉の旅館「中の坊瑞苑」で指し継がれた。

 両対局者が前日の手順を再現した後、立会人の福崎文吾九段(64)が先手番の藤井の封じ手「5六歩」(45手目)を読み上げ、2日目の戦いが始まった。

 初日は渡辺が雁木の戦型に誘導した上で、6筋からの突破を目指して積極的に攻め、藤井が巧みに対応。藤井の封じ手は、控室で最有力とされた手で、渡辺の角の働きを弱める狙い。藤井が5五銀(47手目)と打ち込んで、5筋の攻防が続く中、藤井がすぐに相手の角を取らず、7八玉(53手目)と引いて自玉を安定させた。

 副立会人の船江恒平七段(37)は「藤井王位の玉形は力がないと指しこなせないが、先まで読んで自玉を安定させたのはさすが。ここから渡辺九段の攻め、藤井王位の反撃に注目したい」と語った。

 対局は2日制で持ち時間は各8時間。28日夜までに決着する見通し。対局の模様は神戸新聞NEXTで速報している。(小林伸哉)

【王位戦中継サイト】こちら

【特集ページ】王位戦