大森一樹監督が2022年に亡くなるまで企画を温めていた新作映画の撮影が進んでいる。監督の名を一躍有名にした京都の医大生の青春群像劇「ヒポクラテスたち」(1980年)の時代劇版ともいえる「幕末ヒポクラテスたち」。映画は大森監督が学生生活を送った京都府立医科大の開学150周年記念事業で、幕末京都を舞台に疫病と戦う医師たちの奮闘を描く。(片岡達美)
■母校・京都府立医大の150周年記念作
脚本は大森監督が映画学科長を務めた大阪芸術大学教授の西岡琢也さん。稲垣浩監督の「ふんどし医者」(60年)を原案にしている。天然痘やチフスが流行した時代の蘭方医を佐々木蔵之介さんが演じ、ライバル関係の漢方医には「ヒポクラテスたち」で医大生だった内藤剛さん。同じく医大生役だった柄本明さんの他、真木よう子さんらが主要キャストに名を連ねる。監督は大森映画で助監督を務め、「独立少年合唱団」「いつか読書する日」などの映画を手がけた緒方明さん。