宝塚歌劇月組のミュージカル「侍タイムスリッパー」が28日、大阪府箕面市の東京建物Brillia・HALL・箕面で開幕した。口コミで人気が広がった話題の映画が原作。ストーリー展開の意外性、コミカルな中にリアルな殺陣といった元々の要素に、宝塚らしい新たな味付けも加え、大満足の舞台に仕上がった。
幕末から現代の京都にタイムスリップした会津藩士・高坂新左衛門(鳳月杏=ほおづき・あん)。そこは映画撮影所で、おりしもチャンバラシーンの撮影中。助監督の山本優子(天紫珠李=あまし・じゅり)や殺陣師・関本(輝月ゆうま)らに助けられ、斬(き)られ役俳優となった新左衛門は、久々に時代劇に主演する大物俳優、風見恭一郎(風間柚乃=かざま・ゆの)の敵役に大抜てきされる。実は2人には深い因縁があった。
ぼくとつ、不器用、誠実…鳳月は幕府に忠誠を誓う新左衛門を等身大で演じる。撮影所の外の世界の激変ぶりに驚きながらも、新たな一歩を踏み出そうとする姿を応援せずにはいられない。
原作映画の殺陣師、清家一斗が舞台でも殺陣を担当。クライマックスで、恭一郎と新左衛門が斬り合う場面は、クローズアップを使う映画にも劣らず迫力満点。鳳月、風間は時代劇の殺陣を完全に体得し、危なげない刀さばきだった。
原作映画にはない、ミュージカルならではの演出も多数加えた。何かと気にかけてくれる優子と新左衛門が京都市内を散策する場面は、2人の恋を予感させる甘酸っぱい雰囲気に。
本編終了後のショーでは、有名時代劇ドラマのテーマ曲を使ったダンスを数々披露。「水戸黄門」主題歌のリズムはなるほどボレロだし、男役が勢ぞろいしてのダンスに膝を打った。懐かしさが一周回って斬新な、宝塚らしい演出だった。
脚本・演出の小柳奈穂子をはじめ、出演者全員の作品への愛、時代劇へのリスペクトが感じられる、出色の舞台に仕上がっていた。2月5日まで。1月30日休演。(片岡達美)






















