ヨットによる太平洋の単独無寄港横断に挑戦している堀江謙一さん(83)は2日現在、既にゴールラインまで約150キロ地点に迫り、冒険は残りわずかとなっている。挑戦は23歳だった60年前に始まった。パスポートを持たない「密出国」で世間を騒がせながらも、帰国したら英雄とたたえられた。当時の神戸新聞紙面から、その初冒険を振り返る。(村上貴浩)
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「騒ぎをよそにアメリカへ/マーメイド号無事に着く/太平洋横断三カ月」
1962(昭和37)年8月13日付夕刊に、大きな見出しが載った。米サンフランシスコで小型ヨットに乗って手を上げる堀江さんが写っている。
その年の5月12日、学校や友人の反対を押し切って西宮を出発した。しかし米国到着予定の90日間を過ぎても連絡がないため、家族が大阪海上保安監部(当時)に保護願を出していた。
前人未到の冒険達成に、神戸新聞も大ニュースとして社会面トップで報じたが、その書きっぷりは慎重だ。関西ヨット協会(当時)は「英雄視することは禁物で、むしろ無謀だ」と批判的なコメントを寄せていた。
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ところが帰国すると、熱狂的に歓迎される。9月13日付朝刊は堀江さんが花束を抱えて笑顔で飛行機から降りてくる様子を写しつつ「“がいせん将軍”を迎えるような騒ぎ」との見出し。一緒に記者会見に応じた堀江さんの父はほっとしつつ、苦笑いで「法を犯す冒険はもうごめん」とこぼした。
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全国が沸いた。翌14日付朝刊には、堀江さんが太平洋横断時に使ったカメラやペン、缶詰などを手掛けた企業が協力して1面広告を出した。マーメイド号のイラスト付きで、キャッチコピーは「メイド・イン・ジャパンで太平洋横断!!」。
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14日付夕刊では、大阪に戻った様子も大展開で報じている。堀江さんの仲間たちは「密出国の関係もあることだし派手な歓迎はやめよう」と、拍手のみで出迎えるも、堀江さんは行く先々で歓迎攻めに遭う。
「お騒がせしてすみません」。見出しにもあるように、そう言って堀江さんから頭を下げられた第五管区海上保安本部の本部長は「出入国管理令違反で調べるから出頭するように」と申し渡しつつ、にっこりと握手。この日ばかりは立場を忘れて「落ち着いたら体験談を聞かせてください」と談笑していた。
今回のゴールは、和歌山県紀伊日ノ御埼灯台と徳島県伊島灯台を結ぶライン。
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