尼崎市は4月の組織改正で「放置自転車対策担当課」を廃止する。約30年前、市内の駅前の放置自転車は1日平均約1万7千台で全国ワースト10に入るほどだったが、長年の対策が実り、歩道や車道まで二重、三重に自転車が止められていた光景は一変。体感治安向上にもつながっている。
自転車の整理や撤去をめぐっては以前、「交通安全課」が駅前の安全確保の一環で取り組んでいたが、撤去しても翌日には元に戻るなど効果は限定的で、撤去自転車の処分費用も膨大になっていた。市営駐輪場は一時利用枠が常に埋まり、定期利用も1~2カ月待ちが当たり前の状況だった。
当時は自転車盗やひったくりなどの街頭犯罪も問題化しており、市は2012年度の組織改正で、防犯と並行し、放置自転車対策に特化した担当課を設置。14年度からは民間事業者に補助金を出して駐輪場増設を図ったほか、地元住民も利用者アンケートを行うなど連携し対策に乗り出した。