最後となった「富松薪能」の舞台で仕舞を披露する小学生=尼崎市富松町2
最後となった「富松薪能」の舞台で仕舞を披露する小学生=尼崎市富松町2

 40年以上にわたり地域で続いてきた「富松薪能」が、尼崎市富松町2の富松神社であり、最後のお披露目となった。毎年7月の恒例行事だったが、演者の高齢化や減少に加え、夏場の酷暑が重なり、継続を断念。今回は開催時期を10月に移して、小学生やプロの能楽師が能を披露し、有終の美を飾った。(潮海陽香)

 富松薪能は1980年、地元出身の観世流能楽師、山村啓雄(ひろお)さんの「ふるさとで自分の能を奉納したい」との思いから始まった。86年には神社内に能舞台を設置。2004年からは山村さんが指導する「尼崎こども能楽教室」で学ぶ子どもらも演じてきた。