兵庫県姫路市大塩町などに伝わる、全国的にも珍しい旧暦の七夕の飾り付けが6日、山陽電鉄大塩駅などで始まった。大塩では「七夕さんの着物」と呼ばれており、着物形の飾りを、2本のササの間に渡した細い竹につるす。同駅改札前と駅南側のロータリー、大塩公民館前の3カ所に飾る。7日まで。
住民有志による「大きな縁(塩)のまちづくり実行委員会」が、2021年から実施している。少なくとも明治初期には始まっていたとされる風習だが、飾る個人宅は近年少ないため、まちぐるみで残そうと考えた。着物形の飾りには「子どもが一生、着る物に困らないように」などの願いが込められているとされる。
七夕の起源がもともとは星祭りだった経緯から、今年は星に焦点を当て、6日夜には姫路科学館職員による天体解説会もあった。実行委の浜田修央会長(50)は「1、2日のはかない祭りだが、子どもへの思いが詰まっている。地域でしっかりと伝えていきたい」と話した。
観覧できる時間は午前9時~午後6時ごろまで。(上杉順子)