ドローンで撮影した写真を前に、院の位置を説明する加藤哲崇住職(左)=増位公民館
ドローンで撮影した写真を前に、院の位置を説明する加藤哲崇住職(左)=増位公民館

 姫路城や城主との結びつきが強い増位山を、文化財として見直そうと結成された市民グループ「増位の文化遺産を伝える会」が、江戸時代に同山にあった随願寺(姫路市白国)の建物の配置などを、最新の地理情報システムを用いて一部を特定した。同会は当時の増位山の詳しい状況を把握するため、さらに現地を調査していく。(藤本賢市)

最新の地理情報システム活用、建物配置など江戸期の図と照合

 随願寺は聖徳太子の命で建立されたと伝わり、天台宗の寺院として発展。江戸期には、姫路城主・榊原家の菩提寺(ぼだいじ)になった。榊原忠次が再建した本堂などが国指定文化財となっているが、江戸期に制作された絵図「播磨国増位山随願寺之略図」に記された「地蔵院」「般若院」など13カ所の院は現存していない。