兵庫県加東市特産「やしろの桃」が収穫期を迎えた。販売を知らせるのぼりが並ぶ同市上久米の県道17号沿いは「桃街道」とも呼ばれ、午前中は直売所を目指す車で渋滞するほどのにぎわい。オープン直後に売り切れる店も多い。農家は年々増えるファンのため、手間を惜しまず育てている。(井筒裕美)
なだらかな約5・7ヘクタールの桃園に約2千本の木が並ぶ。古跡農園の古跡真一さん(54)は実の色や形、香りを確かめ収穫する。ぎりぎりまで熟させるのが、やしろの桃の特徴だ。
農園が造成されたのは1980年ごろ。当時は地元だけで18軒ほどの農家が栽培していたが、現在は地域外からの生産者も含め11軒。高齢で引退する農家はあるが、農場は引き継がれ、休耕地はないという。
農家らによると「桃街道」はかつて、今以上に直売所がずらりと並んでいた。少なくとも20年ほど前には「すぐ完売し、手に入らない甘い桃」と評判になり、メディアの紹介もあって「幻の桃」という呼び名が広まった。
「幻の桃ありますかと聞かれた」。そう笑うのは農家の一人、大西茂信さん(74)。かつては三田市まで販売に出向いたが、今では直売所で整理券を配るほどの人気に。「それだけ世間に知られた」と感謝を口にした。
人気の理由を、JAみのりの岡部徹さんは「常連が客を呼び、常連になる。そんなバトンタッチができている。生産者とのやりとりもあり、独特の風土があるね」と語る。
品種は「白鳳(はくほう)」「清水白桃」など。直売所は早ければ午前9時半~11時ごろに開く。値段はサイズによって2キロ1500円、4キロ6千円ほど。販売は8月中旬ごろまで。場所などは同JAホームページの「やしろの桃直売マップ」で確認できる。
























