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よく見かける雄滝の様子=神戸市中央区葺合町
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よく見かける雄滝の様子=神戸市中央区葺合町
勢いよく流れ落ちる布引の滝の「雄滝」。まだ目にしたことがない…(神戸市提供)
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勢いよく流れ落ちる布引の滝の「雄滝」。まだ目にしたことがない…(神戸市提供)

 滝の水量、少なくない?

 何度か布引谷を歩いていると、そんな疑問が湧いてきた。巡り合わせが悪いだけかもしれないが、四つある布引の滝の中で最も壮大とされる雄滝(おんたき)でさえ、チョロチョロと流れ落ちる様子しか見たことがない。

 「美しい布が垂れるようだ」と称され、高い建物がなく六甲山がはげ山だった頃は遠くからも見えたというほどの滝なのに…。

 登山愛好家たちに聞くと「季節によってばらつきがある」「昔はもっと流れ落ちていた」など意見はさまざまだった。

 ぜひとも壮大な滝を見てみたい。どうすればよいのか。滝の上流にある布引貯水池を管理する市水道局浄水統括事務所に尋ねた。

 「滝の水量は、貯水池よりさらに上流で雨が降るかどうか。これに尽きます」

 滝の上流にある貯水池に水を供給しているのは、さらに上を流れている生田川だという。そんなに山の上から生田川が続いているのだという驚きもさることながら、本題の滝の水量について聞いてみた。

 「雨の翌日に行っても細い糸のような滝しか見られないんですが…」

 「翌日ではダメですよ。コンクリートの川ではないですから、滝となって流れ落ちるまでには時間がかかります」

 生田川の上流、山に降り注いだ雨は、時間をかけて地面に染み込み、やがて川の水となっていく。生田川として流れ、貯水池や滝の水になるまでには、短くても3日、長ければ1週間ほどは必要だという。

 要は、見に行くのが早すぎたのだ。言われてみればその通りで、雨がすぐに滝となって流れ落ちるわけがない。焦らず時が来るのを待つことにした。(安福直剛)

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