石川県・能登半島を襲った記録的豪雨の被災地で、神戸市兵庫区中道通2の「被災地NGO恊働センター」と「CODE海外災害援助市民センター」が支援活動を展開している。浸水した民家の泥出しや家財道具の搬出だけでなく、被災者の話し相手になるなど多様な取り組みが必要といい、年代や性別を問わずボランティアを募っている。(上田勇紀)
■話し相手など多様な取り組み必要
「地震より大変や」
CODE事務局長の吉椿(よしつばき)雅道さん(56)は、石川県輪島市の中心部で浸水被害に遭った高齢男性のつぶやきが忘れられない。あたりの民家は1メートルほどの高さまで水につかり、黒い泥が床上や床下を覆っていた。
9月下旬、吉椿さんは10~80代のボランティアと計13人で輪島市を訪れた。元日の能登半島地震で、大規模火災に見舞われた「輪島朝市」の近くだ。同21日の豪雨で、土地の低いエリアが集中して浸水した。
吉椿さんらは別のボランティアとも連携し、民家の床板をはがして泥を取り除いた。「自暴自棄になって、泥につかった家財道具はみんな捨ててしまおうという人もいた」とスタッフの山村太一さん(24)。捨てる予定だった棚の泥をぬぐい、きれいにして見せてあげると、高齢女性は泣いて喜んだという。
地震から立ち直ろうとしているときに、豪雨が追い打ちをかけた。「何もかも諦めかけたときに、ボランティアの力があれば『もうちょっと頑張ってみようかな』と思える」と吉椿さん。「力仕事だけでなく、やれることはたくさんある。災害ボランティアが初めてでも参加してほしい」と呼びかける。
両団体は今月4~6日、11~14日、25~28日、11月1~4日の日程で神戸からボランティアを派遣する予定。参加者を募集中で、定員があるため「まずは問い合わせを」としている。
また、CODEは活動支援金を募っている。郵便振替00930-0-330579。加入者名は「CODE」。通信欄に「能登豪雨支援」。TEL078・578・7744