面識のない高齢女性の特殊詐欺被害を未然に防いだとして、警備会社「セコム」の警備員三浦淳宏さん(63)に東灘署(神戸市)から感謝状が贈られた。ATM前での警備中に目についた女性の行動に違和感を抱き、積極的に声をかけた。
7月9日午後、三浦さんは東灘区内の商業施設にあるATMの修理で警備に就いていた。そこに、走り書きのメモを手に、スマートフォンで通話する60代の女性に気付いた。
「どうされましたか」と声をかけると、女性は東灘区役所から連絡があり「健康保険料の払い戻しがあるのでATMで受付番号を確認してほしい」と言われたという。女性のスマホには次々に電話がかかってきており、三浦さんは「絶対に出てはいけないですよ」と強調し、警察に相談するよう伝えて被害を防いだ。
三浦さんは、普段の警備でも周囲をくまなく観察しているという。「被害に遭ってからでは遅いので、今後も『もしも』の状況を想定して行動したい」と話した。(浮田志保)