捕まえたバッタを手に笑顔を見せる村上功ちゃん=神戸市東灘区
捕まえたバッタを手に笑顔を見せる村上功ちゃん=神戸市東灘区

 全身が真っ黒な体長3センチほどのバッタを神戸市東灘区の村上功ちゃん(6)が見つけた。専門家によると、緑や茶が通常の体色のトノサマバッタで、環境の影響などによる個体変異と考えられるという。(中村有沙)

 今月14日、鳥取県八頭町の曽祖母宅を訪れ、周囲の田畑で虫捕りをしていて出合った。体色は特に気にならず、「家で飼っているカマキリの餌になりそう」と手を伸ばした。持ち帰った後、父の良太さん(40)から「黒は珍しいやつやで」と聞いて驚いたという。

ひとはくの専門家「個体変異の可能性」

 兵庫県三田市の県立人と自然の博物館で昆虫学の研究員を務める坂本貴海さん(27)は、バッタの画像を確認して個体変異の可能性を指摘。「成虫の手前の終齢幼虫であと1回脱皮する。その際に、黒が薄くなるなど色が変わるかもしれない」と話した。

 3歳の頃からの虫好きという功ちゃんは、珍しい個体と知って餌にするのをやめ、「脱皮を見たい」と大切に飼育。22日夜、無事に脱皮して成虫になったが、体色は黒いままだという。母の望さん(37)は「虫について探究を深めてほしい」と願っている。