客から暴言や理不尽な要求などを受けるカスタマーハラスメント(カスハラ)が社会問題になっている。さまざまな業種の被害実態を紹介するシリーズの4回目はゴルフ練習場。ボールを持ち帰る悪質客をとがめたところ、理不尽に怒鳴られ続け、接客に恐怖心を覚えるようになった従業員の体験を紹介する。(斉藤正志)

 ■打ち放題のボールをバッグに

 カスハラ行為は、まじめに勤める従業員を退職に追い込むことがある。

 神戸市の瀬尾さん(仮名、50代女性)は、同市内で「打ちっ放し」のゴルフ練習場に勤めていた。

 従業員はアルバイトがほとんどで、正社員は支配人と瀬尾さんの2人だけだった。