宍粟市波賀町の棚田。地域の高齢化や担い手不足で雑草が伸びた農地が増えている=同町皆木
宍粟市波賀町の棚田。地域の高齢化や担い手不足で雑草が伸びた農地が増えている=同町皆木

 「ひどい状況でしょう? 一度荒れた農地を元に戻すのは難しいんです」

 宍粟市波賀町皆木(みなぎ)。山裾に広がる棚田を前に、JAハリマ(同市一宮町東市場)営農購買課長の井口尚洋さん(42)が肩を落とす。雑草は高さ約1メートルまで伸び、林野と見分けがつかないほどだ。

 かつて数十軒の農家がいた皆木地区だが、高齢化で急な角度ののり面の草刈りが困難になり、管理できない農地が増えた。「高齢化と担い手不足で、耕作放棄地があちこちで増え続けている」