兵庫県の姫路・西播地域では毎日のように、特殊詐欺と思われる不審な電話がかかってきたり、実際に被害や未遂事件が起きたりしている。犯人のだます手口も巧妙になっている。そんな中、福崎署は顧客の詐欺被害をそれぞれ防いだとして、ローソン福崎南田原店(福崎町南田原)と但陽信用金庫寺前支店(神河町寺前)に署長感謝状を贈った。2店舗ともに被害の防止に力を発揮したのは、従業員同士、あるいは従業員と警察による連携プレーだった。(喜田美咲)
■「30万円分のギフトカード買いたい」
6月20日、ローソン福崎南田原店に、80代の女性客が来店した。「アマゾンギフトカード30万円分を買いたい」。応対した店員は不審に思い、松本雄樹店長(37)に相談しようとした。
松本さんはその時、店にかかってきた電話に出ていた。「商品を予約したい」という内容だった。その電話をいったん保留にし、女性に少し待つように頼んだが、退店してしまった。「他の店で購入してしまうかも」と不安になり、同署に通報した。
同署は店が提供した防犯カメラの情報などから女性を特定し、被害を未然に防いだ。女性はNTTをかたる人物から「料金未払いがある」との連絡があり、ギフトカードでの支払いを要求されていたという。
松本さんが電話に出て応対していた商品予約の客は、姿を見せなかった。「あの電話も、店員の気を引く手口の一つだったかも」と振り返り、「高額な購入は年齢問わず、声かけをしていきたい」と話した。
■連日で高額の出金求める高齢女性
6月24日、但陽信金寺前支店を訪れた80代女性が、100万円の引き出しを求めた。前日にも高額出金があったばかりだった。職員らは違和感を抱き、同署に通報した。
当初、女性は出金の理由を言いたがらなかった。同署員も合流して話を聞くと、息子だという男から「投資でもうかった分の税金700万円が未払いになっており、お金を貸してほしい」と頼まれたと明かした。男は「電話番号が変わった。風邪でいつもと声が違う」などと言っていたという。
後藤考司支店長(53)は女性の携帯電話を借り、息子をかたる男と話した。個人情報などを確かめると言いよどむところがあり、詐欺だと確信した。同署員が実の息子に連絡すると、やはり別人だった。
「店では普段から、お客さまと会話することを心がけている」と後藤さんは話す。「今後も違和感に気づけるようにしたい」
感謝状を渡した同署の弓岡崇篤署長は「手口が巧妙で被害者になかなか詐欺だと信じてもらえないこともあるが、店内で連携して粘り強く声をかけてくれた」とねぎらった。
























