神戸地裁=神戸市中央区橘通2
神戸地裁=神戸市中央区橘通2

 特定抗争指定暴力団神戸山口組の井上邦雄組長の自宅に火を付けようとしたとして、放火予備などの罪で起訴された特定抗争指定暴力団山口組系組員の男(50)=愛知県知多市=の判決公判が6日、神戸地裁であり、金川誠裁判官は懲役2年(求刑懲役2年6月)を言い渡した。

 判決などによると、男は6月29日午前、神戸市北区鈴蘭台東町の井上組長宅にガソリンをまいて火を付けようとした。また、対立組織の組員への付きまとい行為などを禁止する「警戒区域」の現場周辺を無免許でミニバイクを運転し、うろついたとして、暴力団対策法違反や道交法違反の罪にも問われていた。

 公判で男は「相手をびびらせ、抗争を早く終わらせようと思った」と主張した。金川裁判官は「むしろ抗争が深刻化する可能性もあった」と指摘。約2・7リットルのガソリンをまいた場所の近くにガスタンクもあった点に触れ「放火が実行されていれば大きな火事に発展してもおかしくない非常に危険な犯行だった」とした。