事務所で団体設立当初の看板を手にする吉富志津代さん(中央)、李裕美さん(右)、山口まどかさん=神戸市長田区海運町3、たかとりコミュニティセンター
事務所で団体設立当初の看板を手にする吉富志津代さん(中央)、李裕美さん(右)、山口まどかさん=神戸市長田区海運町3、たかとりコミュニティセンター

 阪神・淡路大震災をきっかけに発足し、多文化共生に向けた翻訳事業を手がける神戸市のNPO法人が、震災から29年を前に新たな一歩を踏み出した。創設以来理事長を務めた女性が退任し、後任にバトンタッチ。新体制となった団体は「言葉の壁を越え、誰もが活躍できる社会を実現したい」と目標を見据える。

(上田勇紀)

創設以来の理事長が退任、後進に夢継ぐ

 神戸市長田区の「多言語センターFACIL(ファシル)」。1999年の団体創設から理事長を務めた吉富志津代さん=武庫川女子大心理・社会福祉学部教授=が特別顧問となり、事務局長の李裕美さん(43)が新理事長となった。新事務局長の山口まどかさん(42)を含むメンバー13人で切り盛りする。