「物流システムに搾取されている」と話すアマゾンの商品を配達する男性=兵庫県内
「物流システムに搾取されている」と話すアマゾンの商品を配達する男性=兵庫県内

 インターネット通販大手アマゾンジャパンの商品配達を個人事業主(フリーランス)として委託され、仕事中に負傷した男性が、労災認定された。原則、対象外とされてきたが、指揮命令を受けて働く労働者に当たると判断した。トラック運転手の残業規制が強化される「物流の2024年問題」ではフリーランスへのしわ寄せも懸念され、同じアマゾンの商品を配達する兵庫県内の個人事業主からは「労働が過酷すぎる。今日の生活で精いっぱいで、将来を描けない」と苦悩の声が聞かれる。

 「休む余裕は全くなく、トイレも我慢しながら」。打ち明けるのは、アマゾンの荷物の配送を下請けする会社と請負契約を交わす神戸市在住の40代男性だ。

 午前9時、同県明石市内の物流センターで100個超の荷物を自前の軽ワゴン車に積み込む。同市内などで配送後、午後3時ごろに同程度の荷物を積んで再出発し、終わるのは同9時ごろ。「信号待ちの間にカロリーメイトだけという食事が普通」。日当は約1万7千円で、ガソリン代や車両の維持費は自己負担だ。