能登半島地震の影響を受けながら、1004枚中、120枚で早生の稲穂が実る白米千枚田。海岸線は隆起している=7日午後、石川県輪島市白米町(ドローンで撮影)
能登半島地震の影響を受けながら、1004枚中、120枚で早生の稲穂が実る白米千枚田。海岸線は隆起している=7日午後、石川県輪島市白米町(ドローンで撮影)

 能登半島地震で被災した石川県輪島市にある国の名勝「白米千枚田」。激震の爪痕がなお生々しく残る棚田で、緑の稲が日本海からの風に揺れていた。7日、記者が訪ねた。

 400年の歴史を持つ千枚田は、海に面した急斜面の絶景として知られる。1004枚の田んぼがあったが、元日の地震で大きな亀裂が幾つも入り、一部は地滑りで押しつぶされた。

 維持管理を担う「白米千枚田愛耕会」がクラウドファンディングなどの支援で修復に努め、今春、約1割にあたる120枚でわせ種「ノトヒカリ」を作付けした。地震から約7カ月。真っすぐに伸びた稲の先には穂が実り、今月末には稲刈りの予定という。

 「120枚『だけ』ではなく、奇跡の120枚、感謝の120枚です」と愛耕会の白尾友一会長(60)。亀裂が今も残り、水を張れない田もある。白尾さんは「まだまだこれから。何とか元気な田んぼに戻したい」と話した。(中島摩子、長嶺麻子)