競りに並んだセコガニ。例年より安値が付いている=18日午前、香住漁港西港
競りに並んだセコガニ。例年より安値が付いている=18日午前、香住漁港西港

 6日に始まった日本海のズワイガニ漁で、卵を持つ雌のセコガニが近年にない安値を付けている。サイズや見た目がほぼ同じ北海道産オオズワイガニの雌が流通している影響とみられ、香住漁港(兵庫県香美町)ではセコガニの単価が前年比4割減まで落ち込んだ。但馬地域の漁業者は「まるで20年前の相場」「もうけにならない」と嘆いている。(長谷部崇)

■競り2日目以降、徐々に下落

 セコガニは雄の松葉ガニより小ぶりで漁獲量が多く、安価で手に入るが、資源保護のため漁期は12月末までの約2カ月間と短い。身はもちろん、カニみそや内子(卵巣)、外子(卵)の濃厚な味わいを楽しめる。みそ汁も絶品だ。

 ただ、漁業者や水産加工業者は「今年のセコガニは例年よりはるかに安い」とため息をつく。香住漁港では6~18日にセコガニ1万4349キロ(前年同期比54%増)を水揚げしたが、漁獲金額は4007万円(同7%減)にとどまり、1キロ当たり単価は2793円(同39%減)と大幅ダウンとなった。