新著「避難学」を前に、災害時の行動について語る京都大防災研究所の矢守克也教授=神戸新聞社
新著「避難学」を前に、災害時の行動について語る京都大防災研究所の矢守克也教授=神戸新聞社

 京都大防災研究所の矢守克也教授(61)=防災心理学=が「避難学 『逃げる』ための人間科学」を執筆した。東日本大震災(2011年)や西日本豪雨(18年)、東日本台風災害(台風19号=19年)など、津波や水害から逃げ遅れて命が奪われる災害が相次ぐ中、避難訓練の課題や改善方法を具体的に指摘。「これまでの常識を疑い、備えにつなげてほしい」と呼びかける。(上田勇紀)

 矢守教授は、南海トラフ巨大地震で津波が想定される高知県四万十町などで、避難訓練や住民向けの調査を手がけてきた。神戸を拠点に阪神・淡路大震災の経験を伝える団体「語り部KOBE1995」の顧問も務める。