政権批判を受けながら、辛くも議席を維持した自民党現職の加田裕之氏(55)。保守票を奪い合う混戦に劣勢を強いられ、崖っぷちで踏みとどまった。「長く苦しい戦いだった。皆さんがいたから勝ち抜けた」。当選の報にも厳しい表情を崩さなかった。
得票3位で初当選した6年前の雪辱を期したが、逆風にさらされた。物価高対策やトランプ関税の対応では、政権与党に対する不満は根強く、自ら処分を受けた派閥裏金問題も尾を引いた。「今回も3番手に滑り込めたら御の字だ」。陣営は早くから危機感を募らせ、公示日の第一声に石破茂首相の来援を受けた。